ホームページの素早い立ち上げで少しずつ作って試行錯誤を重ねる「アジャイル」と呼ばれる開発手法を制作に導入。仮説検証を短いサイクルで繰り返し顧客ニーズを見つけ出しながら制作運営を進めていくことができます。従来のホームページ制作における顧客ニーズや行動からの乖離という構造的な問題を解消して、マーケットニーズを満たしたホームページに最適化し、ビジネスが着実に成長することを実現します。
継続的改善型ウェブサイト制作運営は、必要最小限のコンテンツや機能でホームページを立ち上げるスモールスタートをお勧めしております。ホームページを運営しながら、その時に必要とするコンテンツだけを付け加えていく制作スタイルです。いらなくなったコンテンツや不要になった機能を捨てることでホームページをシンプルに保ち、絶えず改善を行い、適切な規模で運営をしていきます。
ビジネスの成果を出し続けるホームページを実現する 3 つのポイント
サイト制作請負との違い
従来のホームページ制作は、制作の前段階で全ての要件を決める必要があります。全ての要件が決まらなければ、制作を進めることができませんでした。またその要件は途中で変更や追加することは許されませんでした。変更を途中ですることは何か追加のコストが発生することを意味します。プロジェクトを進める中でできる範囲内で融通したり、費用を追加し、スケジュールの延期をすることで対応していました。無理を強いて推し進めると、最終的に要求したものと全然違うものが納品されることになります。不明確な要件では契約上のトラブルに発展することもあります。
しかし、制作前に要件定義を精緻にやっても実際にホームページが出来上がって運営してみて初めて分かることがある。また運営している時間の経過とともにニーズの変化でその時に必要とされている要件はどんどん変化していきます。その変化に追随することもできませんでした。
それでは変化するビジネス環境に応えるホームページ制作運営が実現しません。
そういう事情を長年観てきて生まれたのが「継続的改善型ウェブサイト制作運営」です。
継続的改善型ウェブサイト制作運営は、基本的な考え方から取り組みまで従来のホームページ制作とは、全く違ったアプローチになります。
いちばんの違いは、価値の生み出し方
継続的改善型ウェブサイト制作運営と従来のホームページ制作のいちばん大きな違いは、価値の生み出し方です。
従来のホームページ制作での価値は、公開直後が価値が一番高くなり、時間の経過とともに減衰していきます。
長い期間制作を費やしても納品するまで価値を生み出すか全く分かりません。
公開後にどの程度の価値を生み出すか実際に分かり始めます。
継続的改善型ウェブサイト制作運営では、1カ月程度で必要最小限のホームページを立ち上げます。
ホームページを運営しながら、その時に必要とするコンテンツを付け加えていきます。
できるだけ早く価値を生み出し、仮説検証を繰り返し顧客の反応を確かめながら、その都度価値を加えて価値を積み上げていくことに大きな違いがあります。
継続的改善型ウェブサイト制作運営とは
- ビジネスの目標達成を重視するホームページ制作運営マネジメント手法
- 実践・仮説検証で得られた知見、市場からの学びを取り入れる学習するチーム (組織) でもある
- 事前に必要なことは、プロジェクトの目的と取り組み目標・成果などビジネス要件だけ
- ビジネスの価値実現につながるかどうかでホームページ制作運営を臨機応変に進める
- あらかじめ厳密な確固とした要件定義をする必要なし。つまり成果物として最終形がない。成果物 (品質) を明確に定める必要は無し
- 納期・開発期間を決めることはしない。予算 (事業への投資) と期間を固定し、毎月毎週一定料金を支払う契約 (期間単位の準委任契約、制作リソースと取り組んだ成果を提供する契約)
- 予算と期間 (稼働時間) の範囲内で可能な作業を行い、積み残した要件はスコープから外し、次回に繰り越し
- 1カ月程度で必要最小限 (Minimum Viable Product) のホームページを立ち上げる
- ホームページを運営しながら段階的にコンテンツや機能を少しずつ付け足していく
- 立ち上げた後は、ユーザの反応や要望、意見を基にフィードバックし、1週間単位で改善や機能追加、品質向上を続けるアジャイル的な開発手法
- 短いサイクルで変更や拡張、廃棄が繰り返され、顧客ニーズを見つけ出しながらホームページを常に最適化する
- 手戻りや廃棄コストを許容し、技術的負債の返済解消を積極的に行い、制作開発の生産性を向上維持する
- ITツールやITサービス、保守管理サービスの導入を積極的に図る (外部発注の許容)
継続的改善型ウェブサイト制作運営の取り組み方
- スクラム的なアプローチ
- 制作開発協調型
- 週一の定例打ち合わせで目的達成に近づいているかどうかを振り返り、今週取り組むこと、リリースするものを決定
- 取り組むことは、直面するビジネス課題の解決につながることを最優先に計画する
- 要求は、どんなことでもいつでも出してもOK
- ただし、全ての要求に応えることはしません。全ての要求を満たすことはしません。すべてに対応することはしません
- 要求は、必ず優先順位を付けて、実際に取り組むことは価値の高い最優先の要求だけ。ビジネスの目標達成につながらない、重要度の低い下位の要求は落として対応しない
- 始めの期間は、取り組みを学んで慣れるための助走期間を設ける
- 始めの2週間程度は、要求の抽出 (プロダクトバックログ) と取り組みのレクチャーなど主に環境整備活動を行う
- 依頼者 (プロジェクトオーナー) は、プロジェクトにおいてオーナーシップをもち、ビジネスの目標達成と明確な要求をもってタイムリーに判断して優先順位をつけ、結果に責任を持つ
- 取り組みの休止やリファクタリング期間など生産性を向上維持するための環境整備の期間を設ける
継続的改善型ウェブサイト制作運営とサイト制作請負の比較
継続的改善型ウェブサイト制作運営と従来のホームページ制作をいろいろな観点から比べてみました。
継続的改善型ウェブサイト制作運営 | 請負受託型ホームページ制作 | |
---|---|---|
基本の考え方 | ビジネスの価値実現につながるかどうかで臨機応変に進める | 仕様通りの、計画通りのホームページを過不足なく着実につくる |
目標 | ビジネスの目的・成果の追求・達成 | ホームページを持つこと、またはつくること |
要件定義 | ホームページを持つ目的と取り組み目標・成果などビジネス要件だけ | 事前に完璧な計画と確固とした精緻な要件 (完成形) を定める、何を作るのか完全に把握し100%完璧に記載された仕様書を求める |
見積 | 見積はしない | 仕様書を元に確実性の高い見積をする |
品質 | 常に未完成品と考え、ビジネス要件に応じて必要な品質をその都度決める | 完成品として考え、あらかじめ決まった品質を担保するため徹底的に作り込み、更新など変更容易性・運用のしやすさは考慮せず |
予算・コスト | 事業への投資と捉える、ビジネスの目標達成に繋がることを最優先、手戻りや廃棄コスト (技術的負債の返済解消) も許容 | 手戻りなどムダなコストや追加作業の発生を防ぎ、最初に決めた段取りから、所定の見積からの乖離を少なくする |
納期 | 納期は存在しない、継続的にリリースをする | あらかじめ決まった納期・期間を厳守 |
リードタイム | 数日から数週間、必要最小限 (MVP) のホームページを短期間で立ち上げるので、リードタイムが短い | 数ヶ月、ホームページ公開までのリードタイムが長い |
スコープ | ビジネス要件やニーズの変化に応じて要求を追加し、優先順位を入れ替えて変更する | あらかじめ決まった計画を厳守し、品質・コスト・納期に影響する追加要求や変更は受け付けない |
スピード | 短いサイクルで形にして試したり、確かめるステップを踏み、頻繁に繰り返す | 工程 (設計・実装・テスト) を刻んで、工程毎に確定した期間を進む |
変化への対応 | 頻繁に変更や見直しを行うことを前提にしているため、要件やニーズの変化、チャンスに俊敏に対応し軌道修正ができる | 変更が無いことを前提にあらかじめ決まった計画を忠実に実行するため、要件の追加や変更に対応しきれず、変更への心理的障壁が高く、軌道修正ができない、要件定義・仕様書を変更し、再見積・全体の調整が多数発生するため変化へのスピードについていけない |
工程 | 制作 (設計・実装) と運営 | 制作 (設計・実装からホームページ公開まで) |
リリース方法 | 素早くリリース、頻繁にリリース (公開更新) を繰り返す | 公開するとき1回だけ |
要求への対応 | 価値の高い最優先の要求だけ対応、重要度の低い要求は対応しない | 全ての要求に何でもかんでも100%に近づけて実現する |
作り込み・カスタマイズ | なるべく作らない、標準機能を組み合わせて最小限のカスタマイズでまかなう、個別開発はビジネスの独自価値が出て競争力のあるところだけ | スクラッチ開発、顧客独自の仕様に完璧に合わせて機能を徹底的に過剰品質で作り込む、細かいカスタマイズを独自開発で組み込む |
外部リソースの取り込み | 価値に繋がるサービスを積極的に導入して活用する | できるだけ自前のやり方で自前でまかない個別に開発する |
価値の生み出し方 | 早く価値を生み出し、価値を加えてその価値を積み上げていく、場合によっては阻害要因を廃棄する | 納品した後から価値を生み出すかが初めて分かる、その価値は公開時点が最大で、途中追加することなく時間の経過とともに減衰する、またはレガシー化する |
提供する価値 | 制作リソースと取り組んだ成果 | 完成品としてのホームページ (作って終わり) |
生産性 | 実際に動いているもの (実物またはプロトタイプ) で確認する、少しずつ作ってなるべくムダなものを作らない、作りすぎない | 要件定義に不明確さや曖昧さが含まれている場合、要求したものと違うもの、意図したものと全然違うものが出来上がり大幅な手戻りや全て作り直しが発生する、作ったけれど結局使わず必要なかったムダが発生する |
効果検証 | 短いサイクルでその都度ユーザの反応やニーズの変化を確認する | ホームページ公開まで効果検証ができない、クライアント側が受け持つため効果検証はしない |
顧客ニーズの発見 | 短いサイクルでユーザの反応を観ながらニーズを見つけ出し、フィードバックを反映する | ニーズを確認する手段がない、見つけ出す手段がない |
顧客ニーズとの乖離 | 効果検証をしながら制作運営を進め、顧客ニーズや行動パターンに近づけるためのフィードバックを反映する | ニーズが合っているかどうかホームページ公開するまで分からない、乖離を解消する手段がない |
運営 | コンテンツ追加や改善、機能追加、品質向上を続けてホームページに価値を加えて常に最適化 | ホームページ公開までのためスコープ外で基本的に関与しない、基本クライアント側で行う、または予算化していないので担当者の配置なし |
保守運用 | 保守運用サービスを活用して維持し、効率化・安定化を図る | 基本的に関与しない、基本クライアント側で行う、保守体制を組織的に整える必要がある、予算化していないので担当者の配置や保守体制が存在しない |
保守運用コスト | シンプルで安定的な状態に常に保つためメンテナンスがしやすく、維持コストを抑える | 保守体制の維持が必要、作り込んで複雑な状態でブラックボックス化、肥大化するため、運用費用は高くなる、技術的負債が溜まっていく |
障害発生リスク | 追加や廃棄など変更を繰り返すため障害発生リスクが高い、リリースの度に一時的に不安定な状態が発生する | 作り放しで改修など手を加える変更が少ないのでリスクも少ない、調整がほとんどないため安定な状態が続く |
問題の発見・共有 | 毎週の振り返りで早期発見 | 問題が埋もれて潜在化、深刻化するまで誰も気付かないので、対応が遅くなる |
問題への対応 | 問題が起こる前に手を施し、早期解決で被害を最小にする、問題発生自体を機会に変える | 何か問題が起こって深刻化してから対処する、常に場当たり的で、被害が大きくなり長い期間をかけて想定外の費用で対応する |
ライフサイクル | 価値が無くなった段階で止める、目的達成して取り組む意味が無くなった段階で終わり | 価値が無くなったことが分かっていても計画に従って完了まで延々と続ける |
発注受注リスク | 要求とリソース (能力パフォーマンス) のズレが発生する、常に要求に対応できるとは限らない | 発注した時点と納品後の環境変化のズレに対応できない、当初想定していない問題により要件が変更追加されて、想定されていない追加作業が発生する、取引条件によって終わりのない追加要求の発生、要件定義の曖昧さから瑕疵担保責任への対応、損害賠償請求につながる恐れ |
追加費用の発生 | 稼働時間を増やす場合発生する、ITツールやITサービスの導入や外部発注で必要な費用が発生する | 要件の変更追加により見積を行い、追加費用が発生する |
コミュニケーション | 毎週定例打ち合わせ、日常の会話、情報共有をチャットなどITツールを活用して参加者全員で行う | 窓口担当とマネジャー間などコミュニケーションラインに限定、全体的な情報共有の仕組みは乏しい |
関わる人 | 1,2人の少人数、または小規模チーム | 明確な役割分担がある大所帯、大人数が大半 |
バイモーダルIT | 試行錯誤型 (SoE = System of Engagement) | 管理計画型 (SoR = System of Record) |
経営マネジメント視点 | 企業・事業価値向上重視型 (未来志向) | 費用対効果重視型 (過去分析) |
経営マネジメント思考 | 投資収益思考 | コスパ効率思考 |
マネジメント手法 | アジャイル・スクラム (仮説検証) | ウォータフォール (プロジェクトマネジメントの下で計画統制) |
計画統制とは、計画や見通しを詳細に立てることから考え、立てた計画を基準に作業を決め、作業進捗をチェックすること。
継続的改善型ウェブサイト制作運営が向いていること、向いていないこと
向いていること
- 少人数で小さく始めること
- 新しいことに小さく失敗しながらチャレンジすること
- 試行錯誤をして未来を創造すること
- 長期的な視点を取り入れること
- 着実に成長していきたいこと
- 新たな顧客や利益を獲得していくこと
- 継続的な成果の最大化を目指すこと
- 少しずつ変えていきたいこと
- 成果を促進すること
- 新しい技術・スキルを導入すること
- 進んでリスクを取ること
- 不確実性が高く、リスクに向き合うこと
- 市場の変化に柔軟に対応すること
- 新陳代謝を行うこと
- フィードバックの機会を増やすこと
- 答えのない問いについて仮説検証を繰り返すこと
- 常に未完成で最低限の品質レベルを保つこと
- 頻繁にリリース (公開更新) を繰り返すこと
向いていないこと
- ゴールが明確に決まっていること
- 何を作るのか完全に決まっていること
- 一度に全部をやろうとすること
- やることが全て決まっていて計画通りに滞りなく進めること
- 短期集中で過剰なエネルギーを注ぐこと
- 短期的な視点で目先の損得を計ること
- 大規模なプロジェクトである期間内で大きな成果を求める取り組みをすること
- 多数の人員を組織編成し、プロジェクトマネジメントの下で進めること
- 変化に乏しく安定し、場面場面で新しい価値を生み出す必要がないルーチンワークが大半なこと
- 不確実性がない完璧な計画で完璧に遂行すること
- 徹底的に作り込むこと
- 納期・期間が明確に決まっていること
- リリース期限を厳守すること
- 完成品を求めること
- 失敗が許されないミッションクリティカルなこと
- 信頼性・安全性など高い品質や安定性が求められること
継続的改善型ウェブサイト制作運営を導入したい方へ
私たちがどのような価値の提供を実現しようとしているのか。
それを示したのか下記のイメージ図です。
すべての要求に対して 100% 対応することはありません。
私たちが対応するのは、要求全体のせいぜい2割程度だけ。
その2割は、価値の高い最優先の要求にあたります。
私たちは、価値の高い最優先の要求に対して制作リソースを提供して取り組み。
そして取り組んだ結果、価値を新たに生み出すことや成果全体の8割ほどを提供することが理想です。
継続的改善型ウェブサイト制作運営にご興味のある方は、
充分理解していただき、是非ご相談していただきたいと思います。
料金 (稼働時間目安)
- 週 90,000円〜 (12時間程度、税抜)
- 週 180,000円〜 (24時間程度、税抜)
- 週 0円 (一休み、税抜)
能力パフォーマンスに合わせて複数人で役割分担やチーム体制での取り組みにも対応可能です。
流れ
1. お問い合わせ・ご相談
ご興味のおありの方は、まずお問い合わせください。
ご質問・ご相談も受け付けています。気になる点や心配な点がありましたら、一緒に解決させていただきたいと思います。
2. ヒアリング
達成したいビジネス目標をお聞きいたします。
ご要望、困っていることを掘り下げてお聞きいたします。
目的・成果の共有を図っていきます。
継続的改善型ウェブサイト制作運営について理解を深めていただきます。
3. 契約
業務委託契約書に合意締結をしていただきます。
4. サービスの開始
継続的改善型ウェブサイト制作運営の取り組みを開始いたします。
まずは、助走期間 (2, 3週間程度) で取り組みを学んで慣れていただきます。
必要最小限のホームページ立ち上げのための、直近の要求の抽出と環境整備を行います。